1、天然乾燥材はエコ

石油エネルギーを節約し、

身近なところで手に入れることができることが、

国産木材の良いところなのですが、

実際に流通している国産木材は

輸送以外にもっと石油を使っている部分があります。

それは、木材の乾燥の時です。

現在の木材は、山から伐り出した後、

重油を燃やした高温の釜に入れられ、

短時間で乾燥させられて一般市場に出されます。

(高温乾燥)

この高温で乾燥された木材は、

本来、木が持っている繊維の粘りが無くなっています。

見た目には表面に割れが無く、綺麗に見えても、

中は繊維を断ち切るような細かいひび割れが

無数にできています。

天然乾燥材は逆に表面から中心に向かって

大きなひび割れが発生しますが、

各繊維同士はしっかりつながっています。

また、高温で乾燥すれば防虫などに

効果のある成分も従来より大分減ってしまいます。

せっかく、香りが良く、ねばり強い木材なのに、

人工的に乾燥することで、それらの性能は半減、

もしくは無くなってしまいます。

もともと100~200%以上ある木材の水分を一気に

25%以下まで落とす訳ですから、

どこかでその代償がでてくるのです。

同じ国産材という名前でも、高温乾燥された木材は、

もう外国産木材と同じだと考えても良いくらい、

エネルギーを使い、木材の性質も変わっているのです。

だから、ゆっくり自然に乾燥させる

「天然乾燥」にこだわっているのです。

家自体の寿命にも大きく影響すると考えています。

日本の木造建築は、この「割れやすいが、ねばり強い」

という天然乾燥の木を前提とした造り方になっています。

日本建築と天然乾燥木材はセットで考える!

だから、古民家は地震に強い建物だと近年見直されています。

地震に強い家は、金物でガチガチに固めても

骨となる木の性能が低いと意味がありません。

建てた時が強くても将来にわたり弱くなる家なら

怖くて住めません…

将来にわたり地震に強い家は

木から考えなくてはいけないと思います。

2、天然は旨い

天然の魚や無農薬野菜は美味いですね。

人工の育てられた食材とは、食べ比べれば

誰もが、天然の食材が美味しいと言います!

材木にも、天然と人工で乾燥された木材があります。

質問です!どちらが、優れた木材でしょう!

もちろん、天然乾燥材が優れています。

天然と人工で比べたら天然がいいです。

無農薬野菜のように、薬品を使わない野菜は美味しいですね。

ただ、作る人は大変です。農薬を使えば手間が掛からないですが、

無農薬野菜のように、木材も余計な薬品(塗料)を使わず

そのまま使える木がいいですね。

天然乾燥材は木の本来の油がありますので、

余計な塗装はいらないですが、強制乾燥剤は

木の良さである油まで取ってしますので、

パサパサになり、塗装が必要になります。

人工乾燥材(KD材)

国産材は高い?

国産材は外材(外国の材木)と比べると、少し高いですが

県産材を使うことにより、補助金が頂けます

県産出材を利用した木造住宅の建設又は購入を支援することにより、

木造住宅供給の促進及び林業・木材産業の活性化を図るとともに

木材の地産地消による二酸化炭素の排出量の抑制を図ることが出来ます

木は、光合成により、空気中の二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。

このときに、二酸化炭素中の炭素が木の中に固定されます。

木に固定された炭素は、木材(柱など)になっても

そのまま貯蔵され続けます。

どんな状態の木でもその能力が発揮されるとは限りません。

なぜなら木は樹齢が進むほどに、光合成の力は衰え、

樹齢50年を超えるとCO2の吸収力が殆んど衰えると言われています。

森林の吸収力に頼りCO2の削減を目指す為には、

適切な管理を行い、樹齢の満ちた木を計画的に伐採し、

CO2の吸収が著しい新たな苗木を植えることで

森林再生サイクルを確立させ、地球温暖化防止につながるのです。

また、木造住宅は、材料製造時の炭素放出量が、

鉄骨プレハブ住宅や鉄筋コンクリート住宅より少ないと推定されています。

国産材を使用することにより森林も豊かになり、CO2削減にもなります

強制乾燥材は、乾燥させるときにCO2が発生しますが

天然乾燥は時間が掛かりますがCO2 は発生しません。

天然乾燥材

人工的に乾燥させたりしたら、

木の本来の良さがなくなります。

ただ、天然の食材のように大変な事もあります。

乾燥させるまで、時間がかかります。

そうですよね。天然の魚も成長するまで

時間がかかりますが

人工の魚は早く成長します。

食材と木の違いがあります。

天然の食材は少し高いですが、

木材の金額は変わりません!

ほとんどの、建築屋さんは高いと思っています。

それは、国産材と外国材と比較しています。

天然乾燥材は、誰もが使えるわけではありません!

木を知っている人しか使えません。

木の性質・材質を熟知した人しか使えません。

食材もそうですよね?

皆さんは、天然と人工どちらを選びますか?

なぜ強制乾燥材ではなく天然乾燥材

天然乾燥材は丈夫で長持ち致します

事実、自然に乾燥させた木材(天然乾燥材)の

最も引っ張り強度・圧縮強度が増すのは、

約100年後とも一説では言われています。

強制乾燥材(KD材)ですが、時が経つにつれて耐久性が無くなり

死にゆく木材ともいえます。

以上の観点から考えても強制乾燥材を使うより、

天然乾燥材を使用することの方が

意義があるのだと認めずにはいられません。

だから、建物の重要な所には古材を入れて地震に強い住宅になります

また、天然乾燥材を使用した建築物が解体される場合にも、

処分されることはなく、新たな場所に

古材(こざい)として使用することができます。