戦前、民家や町家が今よりもたくさんあった時代は、

新築する時、家をリフォームする時に、

「古い木材を再利用する」という事は

ごくごく当たり前の事でした。

そこには「モノを大切にする」「もったいない」という

日本人ならではの習慣がありました。

古い民家を解体したり、改修したりすると何度も使われた形跡のある古材が

梁や桁に再利用されています。

「使えるものは繰り返し使う」先人の残した知恵や

文化は本当に素晴らしい事だと思います。

しかし、高度成長期に入り、時代は「モノを大切にの時代」から

「捨てる時代」になりました。

解体された民家や町家から出る価値ある古材は

チップにされたり燃やされたり埋められたりと

廃棄物として処分されてきました。

そして現在、環境問題が社会的に叫ばれるようになり、

「モノを大切に」の時代がやってきました。

私たちは過去に戻ることはできません。

しかし、先人たちの教えを今に活かすことはできると思います。

「モノを大切に」「もったいない」という素晴らしい先人の

教えを今という時代に活かしていきましょう。