- 2014.02.16
建築物の耐用に関する統計
日本の住宅の寿命は欧米と比較しても短いのが問題です。
財団法人日本建築学会のは建築物の耐用に関する統計からですが
イギリスの住宅寿命は141年、フランスやドイツなどの
ヨーロッパの国々は石造りの建物の文化がある為か、
住宅の寿命は100年に迫ろうかというほど長いのが特徴です。
消費大国でモノを使い捨てるようなイメージがあるアメリカは、
日本と同じように木造の住宅が多いもののそれでも
103年という長い寿命なのです。
対して日本はわずか30年しかありません。
木造住宅だから寿命が短いのか、しかし築100年を
超える古民家などは各地にまだまだ沢山残っていますし、
世界最古の木造建築としてギネスブックにも記載されている、
奈良の法隆寺は築1300年以上。西暦607年頃の建築とされ、
その後の調査で現存している五重塔は7世紀後半に建築されたと言われています。
ですから日本の木造住宅は長持ちしないという事ではなさそうです。
住宅は非常に高価なもので、普通住宅ローンを組んで購入しますが、
住宅ローンが払い終わる25年から30年後には解体して
また新しい住宅を建築するというのが日本の住宅事情です。
つまり家は一代限りの消費物なのです。対して欧米は何代にも
渡って住み続ける事が普通で、イギリスではもし自分の代で家を
建て替えないといけない場合はアンラッキーと思われるようです。
たとえその家に自分の子孫が住まなくなったとしても誰かに貸す事で
その家を維持していく事ができます。つまり家は財産で、
たとえ古くなったとしても資産価値が高いのです。
対して日本は固定資産税の税制上では建築されて25年から30年経過すると
固定資産税は0円、つまり価値が無くなってしまうのです。
一軒の家を長く使用する事は、家を解体して無駄な廃棄物を
出さない事で環境問題の改善にも役立ちますし、
頻繁に街並の景観を壊す事もないので統一された美しい街並を
維持する事も可能です。皆さんが例えば古い街並を見に行って
美しいと思う瞬間は、京都であれ海外の都市であれ、
統一された色調とデザインの整った街並に感動と美しさを感じるのだと思います。
日本の山村に残る田園風景でも一軒一軒が統一されたデザインで、
且つ自然環境にとけ込む色彩が使われているから心が和み癒されるのです。
また、年間に建築される新築住宅と販売された中古住宅の日本とアメリカ、
イギリスの数のデーターによると日本は新築住宅が
年間120万棟建築されるのに対し、流通する中古住宅はわずか15万棟で、
およそ新築住宅の10分の1しか流通していません。
アメリカは180万棟の新築に対して中古住宅は660万棟で、
イギリスは新築が20万棟で対して中古住宅は160万棟も流通しています。
日本と欧米では正反対の割合で、いかに日本の中古住宅の市場規模が低いのかが解ります。中古住宅の市場が成熟しない理由は沢山あると思いますが、
中古住宅の品質が明確でない。
中古住宅の立地条件などが好みに合わない。
中古住宅は資産価値が低いなどがその理由の気がします。
品質が解らないというのは資産価値を考える上でも大きな問題だと思います。
図面はおろか、建築した工務店などが廃業していたりしていて、
住宅の構造などに関する部分の情報が得られなかったり、
水回りや傷みやすい部分のメンテナンスの記録なども不明瞭で、
この家を買って今後どういうメンテナンスの計画を立てる必要があるのかの
見通しが立たないものに高いお金を払う事は難しいと思います。
また、耐用年数の低さからか中古住宅には購入する為の融資が
新築のように潤沢に出してもらえないという資金面での障壁も多いと思います。
アメリカのリーマンショック以降円高もあり、
お世辞にも日本経済が上向きとは言えない状況です。
また少子高齢化も進んでおりこれから新築住宅の着工戸数が
上向きになるとは考えられません。これから新築は確実に数を減らしますが持ち家をと考える人は確実にいます。景気の低迷や少子化によりこれからはみんなの目が
中古住宅を直して住むという時代になる気がします。
古民家などをリフォームして住む事もひょっとするとおしゃれで
ひとつのステータスになるかもしれません。