現存する中で最古といわれる民家は、兵庫県神戸市北区にあります。

箱木家住宅(はこぎけじゅうたく)

箱木家住宅は国の重要文化財ですが、これが建築されたのは806年(大同元年)と

記録されています。この箱木家住宅の母屋の間取りは正面から見て右側(東側)に

「にわ」と呼ばる土間、西側が床が組まれた部屋の配置となっており、

西側は3部屋に分かれています。手前から「おもて」(客間)、

裏側の土間に面した部分が「台所」、奥が「納戸」になっています。

土間には竈(かまど)と厩(うまや)がありました。

またこの時代には畳もまだ無く、その後伝統構法とよばれる建て方が多くなり、

平安時代に入り畳が出現し(畳は中国から伝播したのではなく、日本で発展しました)

江戸時代には広く普及しました。箱木家住宅は窓が小さく(ガラス等は入っておらず、

土壁の一部に穴をあけ、竹を組んだものが入れられています)

室内は非常に暗くなっています。

建築当時木材の製材技術は高くなかったため、柱等は古材の再利用をしていると共に、

板材もチョウナで削りだされたものが使われていて木材が非常に貴重なものだった事が

うかがいしれます。

箱木家は「箱木千年家」と呼ばれています。元禄期(17世紀末)にはすでに

「千年家」と呼ばれていたことが文書に記されています。

伝承では大同年間(806~810)建築とされていますが、『千年家』とは

「非常に古い家」の意味で、「千年経った家」という事ではないため、

この箱木家住宅も実際の建立は14世紀、室町期と考えられています。

現在室町期の建築とされる民家は、箱木家の他に、古井家住宅(姫路市安富町)、

堀家住宅(奈良県西吉野村)の2があり、呑吐ダムの建設に伴ない、

現在の場所に移築された際の調査でも、類例がないため、正確な年代は

特定されていませんが、ほぼ同様の結論になり、

同時に現存する日本最古の民家であることが確認されています。

当初の母屋と江戸時代に建てられた離れが江戸末期に1棟に改変されていたものを、

建築当初の形に分離して再建されまています。

移築前の箱木家は、整形六間取と呼ばれる土間と6つの部屋からなる

平面形式でしたが、解体と発掘調査の結果、まず東側に母屋が建てられ、

その後西側に2間の離れを建築、更に江戸末期にこの2棟を繋いで

2間増やしたことが判明しました。現在の姿は、この調査結果を基に移築の際に、

江戸時代中期以前の姿に復元整備されたものです。

所在地 兵庫県神戸市北区山田町衝原字道南1-4

形式・構造 木造、入母屋造、茅葺

建築年 室町時代

文化財 1967年指定国の重要文化財となっています。

開館時間  9:00~18:00(冬季は17:00まで)

休館日 12月31日と 1月1

所在地  兵庫県神戸市北区山田町衝原