住い手にとっていい家とは、

それでは基本的なことから考えて見ましょう。

家づくりには基本的に大切な事があるはずです。

それは、家は住む人の生命・財産を守り・健康で豊かな生活をもたらすもの。

地震に強く、寿命も長く、快適な生活を送る事が出来る家。

誰も、これには依存がないでしょう。

家づくりの基本中の基本だから当然ですが、これに加えて最近は

環境問題が取り上げられるようになりました。

家造りそのものが環境にやさしいかどうかが問われるようになって来ました。

造られかたによっては環境に貢献もすれば負担を掛ける事があるからです。

国産材を使うことで、山林の再生と活性を図り二酸化炭素を、

減らそうとする試みなどは、その代表的な事例ともいえます。

そして、造られた家を大切に使い寿命を大幅に延ばす事によって、

建築廃材を減らし環境に負担を掛けない事が求められています。

今までたった30年だった家の寿命を200年にしよう・・・

「200住宅」という言葉は、世界的に見てあまりにも短いわが国の住宅寿命を、

大幅に改善して収入の多くを占める建築費の負担を将来にわたって

減らす目的が秘められています。

一生のうちに二度も家を建てなければならないとしたら、

生涯年収の大部分が家のために使われ、豊かな生活など望む事は

出来ないわけですから、寿命の長い家を欲しいと思うのは当然なことです。

しかし、そんな当たり前の事が「今まで話題にもならなかった」残念ですが、

これが現実です。

しかし、これからは違います。

建物の構造などを見直し、設備や給排水・間取りなどは、

時代の変化に柔軟に対応できる仕組みが最初から織り込まれている事が必要になります。

そして何よりも忘れてはならない事は、その家に住み続ける家族が

「愛着を持ち続ける事が出来る住い」でなければならないのです。

子供たちはもちろん、その子孫にとっても財産として継承する事が出来たら

彼らの生活と家族の絆に計り知れない効果があります。

例え収入が多くなくても、家にかかわる費用負担が少ないと言う事は、

子供たちに豊かな生活の基盤をもたらす事になるからです。

家は子孫に継承する財産であって、たんなる消費財ではないのです。

そして家は長くその土地にあって景観を構成する大切な要素でもあります。

「人と違った奇抜な外観の家を造る」「いまどき流行の家を造る」

商品化住宅と言われる家造りをしてきたハウスメーカーが、

積極的に取り組んできた家がこの代表的なものですが、

果たしてこのように家が長く飽きられずに愛着をもって

住み続けられる家なのか疑問があります。

何時の時代も変わることなく、そこにその家が

「街の景色として溶け込んでいる」

そんな家であって欲しいとあなたは思いませんか。

その意味でも、古くはなっても「飽きのこない家」

時を経ることで汚れていってもそれがむしろ味わいとなる家

そんな家であってほしいものです。