- 2014.07.26
天然林と人工林
まず成立過程で見ると、2512万haの森林のほぼ半分(約1300万ha)が天然林です。
天然林とは自然の力で生まれ育った森林のことで、自然林とも言います。
日本の天然林の多くは広葉樹林。日本人の暮らしと共にあった里山や鎮守の森、
あまり人が入らない奥山まで、天然林は幅広く分布しています。
一方、人の手が全く入らず一度も伐採されたことのない原生林は、
日本でもごく僅かしか残っていません。
また、天然林、特に原生林は一次林とも呼ばれ、これらが伐採や火災などにより消失した後、
自然の力もしくは人為的に再生したものを二次林と言います。
森林面積の残り半分のうち、約4割の1000万haが人工林、
その他が無立木地『むりゅうぼくち:樹木が生立していない林地』や竹林などです。
人の手で植え育てられた人工林の約9割は、スギ、ヒノキに代表される針葉樹林。
生長が早く建築資材等に利用できるため、高度成長期に大量に植林されました。
本来なら伐採をして、新しい苗木を植える時期になっていますが
手入れをされず放置された森林が多く、花粉も年々増えています。
南北に長く地形が複雑な日本は、各地の気候を反映した多種多様な
森林分布になっています。主なものでは、亜寒帯/亜高山帯には
エゾマツやツガなど常緑針葉樹林、冷温帯/山地帯にはブナ、ミズナラ、
トチノキなど落葉広葉樹林、暖温帯/低山帯にはスダジイ、アラカシなど
照葉樹林、亜熱帯にはガジュマル、マングローブなど多雨林が挙げられます。
所有者区分でみると、林野庁をはじめとする国の機関が所有する
「国有林」が約3割、国有林以外の「民有林」が約7割です。
民有林は、個人、企業、社寺等が所有する私有林と、都道府県、
市町村等が所有する公有林に区分されます。
民有林の中でも、近年は社有林、つまり企業が森林を所有して
整備・保全・活用する動きが活発になっています。
国有林の面積はおよそ764万haであり、我が国の国土の約2割、
森林面積の約3割を占める。国有林は、特に東日本を中心に広い範囲に
わたってまとまっているものが多いという特徴がある。
民有林の面積はおよそ1,728万haであり、国土面積に占める割合は
約5割弱、森林面積の約7割を占める。特に西日本において広範囲に分布さてています。
日本の森林面積の約4割を占める人工林は、年々漸増しています。
面積はあまり変わらず推移しているのですが、体積「森林蓄積量」が増えているのです。
人工林というのは、本来、生長した樹木を伐採して利用することを目的につくられたもの。
伐採後はその跡地に再び植栽して育成し、継続的な再生産を可能にする循環型資源です。
これらの人工林の多くは、昭和25年から昭和45年位の間に木造の家を建てる
目的で植林されたスギ、ヒノキなどの針葉樹。
特に昭和30年代には「拡大造林」という方針のもと、
大量の針葉樹が全国に植えられました。
当時植林された針葉樹は、40年〜60年を経た今ちょうど
使い頃の収穫期を迎えています。
ところが、今は高度成長期ほど建材としての需要はなく、
輸入材も多いことなどから、国産木材の利用量は大きく減少。
平成7年から17年の10年間でみても約3割減っています。
つまり、利用されるべき森林資源が使われずにどんどん蓄積されている。
利用価値のある国内の森林資源を活用せずに、海外から輸入している状態です。
利用されずに放置された人工林は、必要な間伐などの手入れが行われないために
森としての健全性が失われ、荒れた森と化してしまいます。
森林の保育や整備を行うべき林業は、木材が輸入依存になったことから、
これらの作業に掛かる費用も回収できず衰退してしまいました。
放置され荒廃した森では、木々の根元から土壌が流れやすく山崩れを
起こしやすくなります。また、CO2の吸収源としても、
成長期の若い樹木が二酸化炭素をどんどん吸い込み大きくなるのに対し、
成熟した森や手入れされない荒れた人工林では吸収能力が低下します。
森の手入れをすることは、洪水や土砂災害防止、
CO2吸収源の確保という点からも重要なことです。