- 2013.03.07
木と鉄
木は燃えると表面から炭化し、この炭化層は、
それ以上燃え上がる事を抑える働きをします。
この炭化層のお陰で木は内部に熱を伝えにくい性質を持ち、
表面からゆっくりと燃えていきます。
木の燃える速度は1分間に0.6㎜から0.8㎜で、
30分で18㎜~24㎜程度しか燃えません。
木が燃料として優れているのはこの燃える速度が遅いため
長時間火種が残り炭化した状態でゆっくり燃え続けるからです。
木造の建物の構造材が強度を落とし、
崩れ落ちるまでには相当の時間がかかります。
熱伝導率の高い鉄は熱変形で急激な強度低下を引き起こす事から、
鉄骨造の建物は火災の火が廻ると同時に構造材の強度が低下し、
建物の重量を支えきれず変形し崩れ落ちます。
同じ木で作る建物も2×4工法や木質パネル工法の建物は
3.8×8.9程度の細い材料を主体構造材とし構築する事から、
柱や梁で支える木造軸組工法の建物に比べれば、
より速く燃え落ちる事になります。