昨今の住宅は高気密・高断熱化されるケースが多いため、

天然乾燥材では気密性が損なわれる場合が出てきています。

木材の乾燥方法には天然乾燥人工乾燥の2つがあります。

天然乾燥は屋外で自然の状態で乾燥させたり、

半加工品を屋内で徐々に乾燥させる方法で、

人工乾燥は乾燥室内での機械、装置による強制乾燥です。

日本の場合、天然乾燥における理論上の到達含水率は約15%ですが、

実際にはそこまで乾燥していないケースがほとんどであると言われています。

それは工期短縮や乾燥コスト削減等により、たっぷり時間を掛けて

乾燥させることができないからです。

天然乾燥で含水率15%程度まで持って行くには、

場所や環境により多少の違いはあっても、一般に使用されている大きさの柱で2~3年、

大断面の梁や桁になると、その数倍の時間が必要だと考えられていますから、

その間在庫を抱えたままで、まったく利益にならないわけです。

さらに、たとえ十分時間をかけて含水率15%程度まで乾燥させたとしても、

昨今の高気密・高断熱仕様では、そこからさらに乾燥が進み、

木材が収縮するために気密性が損なわれてしまいます。

ちなみに、最も乾燥する最上階の天井付近や屋根裏では

含水率が一桁になることも珍しくありません。

以下、天然乾燥の短所をあげると、

1,木材の損傷防止や仕上がり状態を制御できない。

2,乾燥にとても時間がかかるため、途中でカビや腐朽菌に犯されたり、

虫害にあったりすることで製品化において多くの無駄が出る。

3,低質な丸太や欠点の多い丸太を使用した場合、

その素材のもつ欠点がそのまま出てしまう。

4,調湿に伴う寸法の増減が大きく、寸法安定性が低い。

長所をあげると、

1,知識不要で誰でも簡単に乾燥させることができる。

2,乾燥には長期間を必要とするが、乾燥コストはかからない。

3,色艶や香りを損なうことが少ない。

4,100年後がもっとも強度が強い。

一方、人工乾燥の長所をあげると、

1,天然乾燥において発生する損傷を抑えることができ、

製品化において無駄が少ない。

2,到達含水率を設定することができ、使用場所に適した製品を作ることができる。

人工乾燥の短所をあげると

1,高い温度で乾燥すると、変色が起こる。

2,必要以上の温度や高湿処理では、材質劣化が起こる。

3,将来に渡って強度が弱くなる。

上記により人工乾燥材の短所をなくすため、

低温乾燥と言われる乾燥が増えていますが…

天然乾燥材の方が木の香り・色つやが全然違いますので、

天然乾燥材をオススメです!