- 2014.04.01
ヒノキの素晴らしさ
五重塔は幾度も修復されていますが、
柱や梁、桁など肝心なところは
すべて創建当時のヒノキであり、
どれも樹齢1000年以上のもの。
それが1300年以上経っても朽ちることがありません。
修復に携わった名棟梁の故西岡常一さんによれば、
その表面をカンナで削ると、
ヒノキ独特の香りを放ったといいます。
ヒノキは1300年経っても生きている。
ここにヒノキならではの半永久的と
いえる強靱さの秘密があります。
実験によると、ヒノキの曲げ、圧縮などの強さは、
伐られてから200年ほどの間に
だんだん強くなって最大30%も強度が増し、
1000年ぐらい経って新材と同じ強度に戻ります。
つまり、育った年月の倍の年数は、
その強度を保ち続けることができる木なのです。
日本のヒノキは、植えられてから
ほぼ60年を経た時期に伐採され建材になります。
法隆寺とはいかないまでも、
世代を超えて100年以上は確実に持つ家が、
このヒノキを使えば建てられるのです。
現在の住宅には「日本住宅性能評価基準」
が定められています。
どれくらい長持ちするか「劣化の軽減」についての等級で、
ヒノキは75年から90年も持つことが
認められている一番高いグレードの等級3を得ています。
末長く住み続けられる家は
ヒノキでつくるべきであることを、
法隆寺の五重塔は私たちに教えてくれるのです。