浴室、台所、エアコン以外にも、家の中はまだまだカビの宝庫。

一晩で牛乳ビン1本分(200ミリリットル)の汗を吸っている布団も、

カビの発生率が高い場所です。日光に当てたり、布団乾燥機などを利用して乾燥させます。

布団を入れておく押し入れも、カビの発生しやすい場所です。

布団をぎゅうぎゅう詰めにしないで、押し入れの床と壁にスノコを敷いて空間をつくれば、

湿気が逃げるためカビを予防できます。意外に目につきにくい家具の裏、

照明器具の上、じゅうたんはカビの栄養になるホコリやフケがたまりやすいところです。

家具は、壁との間を5センチくらいあけて、風通りをよくしましょう。

においばかりが気になりがちな洗面所は、結露しやすい場所をふき、

窓を開けて換気します。

靴においがこもりやすく湿気の多いゲタ箱は、換気のほかに除湿剤をおいたり、

使った靴を手入れすることも必要です。窓ガラスに付着した結露は、

新聞紙でふきとれば結露を除去できるだけでなく、ガラスがピカピカになって一石二鳥です。

ぬいぐるみも時には日干しにしましょう。洗えるものは洗濯して干すなど、

清潔にしましょう。

カビを退治するには、カビに関する知識も必要です。夏は湿気の増加、

冬は室内外の温度差でできる水蒸気の結露が、主なカビの発生原因です。

戦後、住宅構造が欧米化し、通気性のいい木造住宅から、気密型のコンクリート住宅に

変化したこと、共働をする家庭が増え、昼間家の換気ができないことのなどの

生活様式の変化が、高温多湿化を好むカビの発生に大きく影響しています。

カビの発生しやすい場所として、特に注意したいのは水蒸気のたまりやすい

エアコンの中が挙げられます。

エアコン使用開始10分後に平均250個、最大1000個のカビ胞子が

部屋中に飛散するという結果が報告されています。

使用前に30分間、使用終了1時間前には送風にし、水滴を十分乾燥させると、

カビの発生予防になるそうですよ。

また室内に洗濯物を干すと、湿度が約10%も上がってしまいます。

なるべくなら外で乾かすようにしたいですね。カビはダニのように、

健康面への直接的な害を感じにくいものですが、アレルギー性鼻炎などを引き起こします。

カビの胞子はダニの大好物でもあるそうなので、湿気が高くなる前に、

カビの発生を避けたいものです。

予防としては、カビの栄養になる有機物の掃除と十分な換気を心がけましょう。

換気は1箇所だけでなく対角線上に2箇所、風の通り道をつくると有効です。

カビの原因になる水蒸気ができやすいのは、1日のうちに最も温度が下がる明け方です。

就寝前に5分間換気し、家の中にたまった水滴、水蒸気を外に出すのが効果的ですよ。

掃除も換気も、普段から習慣付けてましょう。