- 2013.09.11
いまも香りを放つヒノキ
五重塔は幾度も修復されていますが、
柱や梁、桁など肝心なところは全て
創建当時のヒノキであり、
どれも樹齢1000年以上のもの。
それが1300年以上経っても朽ちることがありません。
修復に携わった名棟梁の故・西岡常一さんによれば、
その表面をカンナで削ると、
檜(ヒノキ)の独特の香りを放ったと言います。
檜(ヒノキ)は1300年経っても生きている。
ここに檜ならではの半永久的ともいえる
強靭さの秘密があります。
実験によると、檜の曲げ、圧縮などの強さは、
伐られてから200年ほどの間に
だんだん強くなって最大30%も強度が増し、
1000年位経って新材と同じ強度に戻ります。
つまり育った年月の倍の年数は、
その強度を保ち続けることができる木なのです。
日本の檜は、植えられてからほぼ
60年を経た時期に伐採された建材になります。
法隆寺とまではいかないまでも、
世代を超えて100年以上は確実に持つ家が、
この檜を使えば建てられるのです。
現在の住宅には「日本住宅性能評価基準」
が定められています。
どれくらい長持ちするか「劣化の軽減」についての等級で、
檜は75年から90年持つことが
認められているグレードの等級3を得ています。
末永く住み続けられる家は
檜でつくるべきであることを、
法隆寺は私たちに教えてくれるのです。